AGU RESEARCH

理工学部

  • 理工学部 化学・生命科学科
  • 掲載日 2024/07/02
  • 希土類の特性を生かした螺旋型錯体の発光機能を追究
  • 長谷川 美貴 教授
  • 金属イオンが有機分子や他のイオンに取り囲まれた化合物である「錯体」。この金属部分に希土類(レアアース)を用いて光らせる分子の開発と、その機能の解明を長く続けてきた理工学部の長谷川美貴教授が、日本希土類学会で最も権威ある賞「希土類学会賞(塩川賞)」を受賞しました。希土類イオンの周囲に分子を巻きつけるらせん構造を実現した独創的な取り組みで、さまざまな発光機能を持つ分子モデルを作成した点も大きく注目を集めています。

  • 理工学部 物理科学科
  • 掲載日 2024/06/11
  • 将来の技術革新につながり得る超蛍光を用いた光強度の大幅な増幅に成功
  • 北野 健太 助教
  • いまだ不可解な点が数多く残されている量子力学の世界に対して、その解明につながるかもしれない研究成果を理工学部物理科学科の北野健太助教、前田はるか教授のグループが残しました。
    エネルギーの高い状態に励起された量子物質が互いに干渉しあって、高いピーク強度を持った光パルスを発する「超蛍光」の現象を用いて、微弱なレーザー光の瞬間強度を7桁以上増強することに成功。物理学会の権威ある学術誌「Physical Review Letters」誌のオンライン版に論文が掲載されました。

  • 理工学部 化学・生命科学科
  • 掲載日 2024/04/26
  • 薬剤性光線過敏症の原因となるケトプロフェンの光化学反応を解明
  • 柏原 航 助教
  • 湿布薬や飲み薬などに薬効成分として含まれている非ステロイド系抗炎症薬の成分であるケトプロフェンは、ときに薬剤性光線過敏症という副作用を発症することで知られています。今回、柏原助教は、過渡吸収分光法という分光学的手法を用いた実験と分子動力学計算による理論分析を組み合わせることにより、これまで明かされてこなかった光線過敏症に結びつく詳細なメカニズムを明らかにし、「日本光医学・光生物学会」で「奨励賞」を受賞しました。

  • 理工学部 物理科学科
  • 掲載日 2023/06/22
  • 実験室で宇宙プラズマ衝撃波の生成に成功。
    その成果を米科学誌に論文発表
  • 山崎 了 教授
  • 超新星残骸などに存在する宇宙プラズマ衝撃波で作られると考えられる宇宙線。そのメカニズムの解明において、従来は人工衛星による観測が唯一の実証研究の手段でしたが、青山学院大学・山崎了教授ら8大学の共同研究グループが大型レーザーを用いた実験によって実験室内に宇宙プラズマ衝撃波を生成させることに成功し、その成果を米科学誌“Physical Review E”に論文として発表しました。

  • 理工学部 物理科学科
  • 掲載日 2023/06/19
  • 高温超伝導磁石の開発手法を追究
    〜NMRの小型汎用化の実現を目指す〜
  • 元木 貴則 助教
  • 高温超伝導を実現するバルク磁石育成技術の確立が、多彩な分野に用いられるNMR(核磁気共鳴装置)の小型化・省消費電力化につながるとして、元木貴則助教の研究がNEDO「未踏チャレンジ2050」に採択されました。有機化合物などの構造解析に用いられるNMRは極低温域まで冷却する必要がありますが、元木助教の開発する高温超伝導磁石育成技術によって、従来より広い温度帯での稼働につながり、活用しやすい装置の開発が実現すると期待されます。

  • 理工学部 物理科学科
  • 掲載日 2023/06/16
  • 細胞内の染色体の動きを表す数式を発見
    〜生命の神秘を物理学的観点から解き明かす〜
  • 坂上 貴洋 教授
  • 生体の細胞内における染色体の動きが、ブラウン運動を元にした物理学的にシンプルな数式で表現できることを発見した坂上貴洋教授が参加する共同研究が、権威ある科学雑誌“Physical Review Letters”に掲載されました。細胞内の動きという生物学領域を、ブラウン運動に基づく考え方をベースに物理学的視点からとらえ、細胞内で動く染色体(クロマチン)の動きをシンプルな数式で表現。今後、遺伝の仕組み解明につながることが期待されます。